星の杜中学校・高等学校
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11やモチベーションを引き出します。いかに相手に動いてもらえるようになるのか、アントレプレナーシップにもつながってくると考えています。宮 田 では、お二人は探究とデジタルを掛け合わせることで、どんな学びの可能性があると考えますか。木 村 まずは、プロトタイプを子どもたちが自由に作り出せる。そして、世の中に広げていけること。それが探究とデジタルを組み合わせる意義だと思います。さらに、そのプロトタイプを他者がどう受け取るのかを調査し、フィードバックを受け、リフレクションもする。ユーザー視点から入っていくプロセスにも、探究とデジタルを掛け合わせて学ぶ意義を感じています。橋 本 価 値を創造するという意味で考えるなら、今 の木 村先 生の話 がベースです。その上で、ツールじゃない部分が一 番大事になってきます。「なぜあなたがその問題に取り組むのか」、「目の前の相手が 一 番 困っていることは何なのか」、「どれだけ必死にその問題を解決しようとしているのか」といった、いわゆる探究のコアにな宮 田 最後の質問ですが、星の杜を卒業橋 本 その人がいるだけで場が明るくな木 村 卒業した子どもたちが、自分の描る部分がないと、ツールを使えても価値は生み出せない。そこが 掛け合わさったら、DXの本質的な意味での『価 値 創造 』につながると思っています。する時、または卒 業して10 年 後どんな人物になっていてほしいですか。る 、機 嫌 が 良くな る 。そ ん なWell-beingな人の存在は、行動以上に大きな影響を与えると思います。星の 杜を卒 業した 人 たちは、いるだけで違う。それは自己肯定感かもしれないし、挫折を味わったことによる他者の受け入れかもしれない。Well-beingオーラみたいなものが滲み出る人が増えたら、世の中良くなるんじゃないかなって思っています。いた幸せな人 生を切り拓いていく。そのためのスキルを身につけるのがこの学校だと思います。幸せは個人によって違うので、自分なりの幸せを思い描き、そのために何をすべきか。家族や友人、まわりの人たちを巻き込 みながら、社会で活躍する人材になってくれればと思います。 学 び の 可 能 性We l l - b e i n gな存 在に探 究 推 進 ディレクター 橋 本 隆 宏学 校 法 人 宇 都 宮 海 星 学 園理 事宮 田 純 也D X 推 進デ ィレ ク タ ー宥坐(ゆうざ)代表。1996年生まれ。宇都宮市出身。宇都宮高校から東京大学農学部、まちづくりの仕事を経て、大学在学中にデータ活用を中心とした農業経営支援の会社を設立。2025年からは会社を離れ、一農家に転身して自ら有機農業を実践中。2023年より探究推進ディレクターとして星の杜高校に関わる。趣味で自家焙□珈琲屋も経営している。 1991年生まれ。早稲田大学高等学院、早稲田大学教育学部 教育学科 教育学専攻 教育学専修卒業、早稲田大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。大手広告会社などを経て独立後、日本最大級の教育イベント「未来の先生フォーラム」と「株式会社未来の学校教育」の創設、約2億7千万円の奨学金の創設、通信制高校の設立に関わるなど、プロデューサーとして教育に関するさまざまな企画や新規事業を実施。2024年には「未来の先生フォーラム」と「株式会社未 来 の 学 校 教 育 」を朝日新 聞 社 に参 画させ、子会社社長を務めた。現在はこれまでの実績をもとにして一般社団法人未来の先生フォーラム代表理事、学校法人宇都宮海星学園理事、横浜市立大学特任准教授などさまざまな立場や役割で教育改革を推 進している。単 著 に『 教 育ビジ ネス 』(クロスメディア・パブリッシング)、編著に『SCHOOL SHIFT』『SCHOOL SHIFT2』(明治図書出版)、監修に『16歳からのライフ・シフト』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 著:東洋経済新報社)。N A O YAM I YATATA K A H I R OH A S H I M O T Oクロストーク 木 村生み出す 学びの価値

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